私は手術当日の術後の夜に、
麻酔が切れてそれまで経験した事もない痛みに我慢できず、
とうとう夜中に当直の看護婦さんを呼んで
痛み止めを打ってもらった。
その時何となく見えた名前を覚えていて、
何と私は退院の日に何の前置きもなく、
その看護婦さん宛にメモ程度の手紙を
ベットの脇に置いて病院を去ろうとしていたのだったのだが、
これが運命というものなのだろうか
出口の付近までいったところで、
当の本人に出会い手紙を置いてきたことを
告げるとこが出来た。
手紙の内容はよく覚えていないが、
決してその看護婦さんに気があってとか
という事でもなく感謝の言葉と、
よければ外で一度お話を聞けると有難い
等という内容だったかと思う。
今思うと一歩間違えると
ちょっとおかしい人と思われるだろうが、
帰り際に会えてその事を告げられた分、
多少はそのあたりの怪しさも
和らげられたような気がする。
後で聞いたがその看護婦さんは
慌てて私のいたベットに手紙を探しに行ったそうだ。
その当時はまだ携帯電話も無かったので、
よろしければと書いた連絡先は
社宅にあった代表電話だった筈だ。
連絡が来るか来ないかはその看護婦さん次第で、
私は何と思い切った事をしたものかと思う。
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